海外進出の始め方:開発途上国の事業開発のステップと活用できる補助金を徹底分析!

20年間経済成長が実感できない日本。一方、世界の全人口の9割を占め、2000年以降、先進国を上回る高い経済成長を続ける新興国・開発途上国。

これまで50社以上の新興国・開発途上国へのビジネス進出をサポートしてきた当社の経験から、中小企業が海外進出にあたって活用できる補助金などの資金調達の方法について代表的な2つの事例をご紹介します。

自己資金か、融資か、出資か、それとも補助金か?

今回は、中小企業の事業フェーズにより、どのような資金調達の手段が考えうるか、検討していきます。

フェーズ0:国の選定

会社として海外進出すると決めた後、まず第一歩として「どこの国に進出するのか」を検討することになります。ターゲット候補をあげて基礎的な調査を実施します。所得別消費者分布、潜在顧客の有無といったような市場調査や、外資による事業実施に法規制・許認可のリサーチ、将来的に現地で連携しうるパートナー企業の洗い出しを実施し、どの地域でビジネスを実施することが事業収益性が見込まれるか、分析していきます。

このフェーズでは、日本での事前の情報収集をした後に、まずは実際に現地に赴き、人々のエネルギーや市場の活力のような現地の熱量を肌で感じ取ることが重要になります。多くの場合、フェーズ0では自社の資金で、国・地域を絞り込んでいます。

フェーズ1:ビジネスモデルの検証

ターゲットとなる国や地域が選定されたら、いよいよビジネスモデルづくりの開始です。

既に販売したい製品がある場合、①誰に対し(顧客)、②何を(製品)、③どのように提供するか(価格、販売方法、マーケティング戦略)を検証していきます。試食会のように、無償提供し潜在顧客から意見を吸い上げることも、顧客や製品スペックを絞り込んでいく際には有効ですが、やはり実際に販売してみないと、本当に何が誰に売れるのか、本質は見えてきません。このフェーズでは、現地パートナー候補と協力しながら、テストマーケティングを実施し実際に販売することで、本格進出に向けた必要情報を収集していきます。

現地で商品を製造する場合、まずは自社で実証実験としてスモールスケールで商品を現地製造していきます。製造工程で用いる手法や機材を現地調達したり、最終的に製造する製品を潜在顧客の嗜好に合わせるなど、ローカライズが必要な点を洗い出すのも、このフェーズとなります。自社による実証実験を通し、パートナー候補や潜在顧客へ商品の価値をプロモーションしていきます。

このフェーズは、国や財団からの補助金や委託費を活用できる機会が最も多くなります。

フェーズ2:本格進出

フェーズ1で検証されたビジネスモデルに基づき、いよいよ本格的に事業に着手していきます。雇用や売買が発生する場合、対象国に事業実施主体が必ず必要となります。自社で現地法人を設立し、あるいは現地企業との業務委託契約や販売代理契約を締結し、事業実施に必要な環境を整備した上で、事業を開始します。

本格進出の段階までくると、超初期のアーリーフェーズ事業として、金融機関からの融資や、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルからの出資を得られる機会が、ぐっと増えてきます。

開発途上国でのビジネスモデル検証に活用できる補助金を徹底分析

補助金と委託費の違いとは?

具体的な補助金の比較に入る前に、「補助金」と「委託費」の違いについて、確認しておきます。

補助金と委託費、何となく同じカテゴリーに入れてしまいがちですが、似て非なるもの、主要な相違点を解説していきます。

補助金は、政府機関が「民間企業が実施する事業を補助」するものです。そのため、事業の主体は、事業を提案する「民間企業」となります。委託費は、「国の事業」を民間企業に委託するものです。そのため、事業の主体は、民間企業のような事業実施者ではなく、「国」となります。

また、支給される資金の種類や支給方法も異なります。

「委託費」は、国からの事業を請け負って実施しているため、事業実施にかかる費用は基本的に全額給付となります。ただし、予算として計上できる費用の種類は限定的なことが多く、例えば航空賃と宿泊費は計上できても人件費は計上できない、ということが往々にしてあります。 一方、「補助金」は、事業実施にかかる総額に対し補助率をかけた額が給付されます。必ず自己資金で負担しなければならない費用が発生してしまうデメリットはありますが、人件費から開発費、委託費まで多様な費用を計上できるという融通の良さもあります。

補助金・委託費2種、徹底比較!

ここでは、経済産業省の補助金事業である「第5回 飛びだせJapan! 世界の成長マーケットへの展開支援補助金」と、JICAの委託事業である「中小企業・SDGsビジネス支援事業」について、比較分析をしてみます。

①計上できる費用の違い

補助事業と委託事業の違いから、計上できる経費項目も大きく異なります。補助事業である「飛びだせJapan!」では、人件費、旅費、外注費、再委託費など事業実施に関するほぼ全ての経費が対象となります。一方、委託事業である「中小企業・SDGsビジネス支援事業」は、委託者となる中小企業の旅費や現地での活動費(レンタカー代、通訳費など)が対象経費であり、計上できる項目は非常に限定的です。実際に計上可能な経費の条件等詳細については、各公募サイトでご確認ください。

②対象国の違い

また、「飛びだせJapan!」では、対象国がASEAN諸国を除く新興国・開発途上国となっており、対象事業も新規事業開発と特化しています。「中小企業・SDGsビジネス支援事業」では、対象国は広く新興国・開発途上国であり、対象事業も日本のODA方針に即することのみを必要要件とする、多岐な分野にわたっています。しかし、国の委託事業であるため、対象国の政府機関と連携しなければならないという、事業の根幹に影響する規定があります。

今回、ちょうど応募期間中である、2つの事業を比較分析してみました。この2つだけを見ても、事業毎に多くの特徴やメリット・デメリットがあること、ご理解いただけましたでしょうか?

なお、詳細については、それぞれの公募サイトをご確認ください。
経済産業省補助金事業「飛びだせJapan!」
JICA 中小企業・SDGsビジネス支援事業「案件化調査」
JICA 中小企業・SDGsビジネス支援事業「普及・実証・ビジネス化事業」

今の事業開発フェーズに合わせた資金調達を

これまで、事業フェーズ毎の資金調達や、特にビジネスモデル検証フェーズに特化した、具体的な資金調達方法について、ご紹介してきました。今みなさんが必要としているのは、国選びのための基礎的な調査「フェーズゼロ」でしょうか?はたまた、ビジネスモデルの検証「フェーズ1」でしょうか?

世界に誇る日本の技術・商品・サービスを開発途上国に広げていくための一手段として、今回ご紹介した様々な資金調達の方法が参考になれば幸いです。 当社は、「飛びだせJapan!」は運営事務局として、JICA 中小企業・SEGsビジネス支援事業には応募企業をサポートするコンサルタントとして、併せて50社以上の日本企業の海外進出をサポートしてきた経験があります。海外進出をご検討されている方からのお問い合わせもお待ちしております!

海外展開として途上国でのビジネスチャンスに挑戦してみたい、でも、不慣れな途上国でどうやってビジネスの立ち上げをすればいいのか、といった日本企業をサポートしています。調査計画の立案から、現地調査、ビジネスプランの作成、現地での事業開発を含むワンストップサービスを提供しています。

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