アフリカでのビジネスは、「面」で捉える!アフリカの「地域経済共同体」入門

「アフリカ」と聞いて、何を思い浮かべますか?

野生の動物や大自然に囲まれたサファリ、レアメタル、中国による一帯一路、部族間の紛争、貧困、飢餓、、

日本から遠く離れたアフリカの大地の今を知ることは、なかなか容易ではないかもしれません。今回は、まだ日本ではあまり知られていない、アフリカにおけるビジネスの可能性について、「地域経済共同体」という観点からご紹介したいと思います。

人もカネも増えるアフリカの大地

出典:http://kai.sub.blue/en/africa.html

これから人口ボーナス期を迎えるアフリカ諸国

私たちに身近なASEAN諸国をみてみると、タイやベトナムでは既に人口ボーナス期が終了し、今後も人口ボーナスが続くフィリピンやインドネシアでも2030年頃までとされています。一方、アフリカ諸国では、今後本格的な人口ボーナス期を迎えると見込まれています。既に人口ボーナス期に突入しているアフリカ諸国のうち、南アフリカで2045年頃まで、エチオピアで2055年頃まで、エジプトで2070年頃まで、ナイジェリアで2095年頃まで、アフリカ全体では2090年頃まで人口ボーナス期がゆるやかに続くと想定されています。

国連の予測によると、2100年には世界人口が113億人に達するとされ、世界の人口上位10カ国のうち5カ国(ナイジェリア、コンゴ民主共和国、タンザニア、エチオピア、ニジェール)がサハラ以南アフリカの国々になります。特に、アフリカで最大人口を誇るナイジェリアでは、2018年時点で1億9,000人とされており、2050年には4億人に達し世界第3位に、2100年には8億人近くに増えると推定されています。

人口動態からみると、今後アフリカの経済は大きく伸びる可能性があると言えます。

ASEANとAFRICAの経済規模

次に、アフリカ諸国の経済規模を見てみます。近年、海外進出の第一歩目としてASEAN諸国を検討する日本企業は多いため、ここではASEAN諸国とアフリカ諸国の経済規模を比較してみたいと思います。

出典:World Data Bank

各国の名目GDPで比較すると、アフリカ最大の経済規模を誇るナイジェリアでは、2016年時点でGDP4,060億米ドルであり、タイとほぼ同規模ということがわかります。以降、エジプト(3,320億米ドル)、南アフリカ(2,950億米ドル)、アルジェリア(1,590億米ドル)と続き、フィリピンやベトナムと並ぶ経済規模を有しています。また、2015年に民主化が急速に進展したミャンマーでは、以後進出を目指す日本企業が急増していますが、東アフリカのエチオピア(730億米ドル)やケニア(710億米ドル)でも、ミャンマーとほぼ同等の経済活動を行っています。

一人当たりGDPについては、アフリカ諸国南部に位置する南アフリカ(5,302米ドル)やナミビア(4,709米ドル)が、ASEAN諸国で最も高いタイと並んでいます。次いで、北アフリカ諸国のアルジェリア(3,902米ドル)やチュニジア(3,749米ドル)、エジプト(3,685米ドル)がインドネシアと同等、ナイジェリアがベトナムと同等の一人当たりGDPを有しています。

アフリカでのビジネスは、「面」で捉える!アフリカの「地域経済共同体」入門

このように、一国レベルで見てみても、ASEAN諸国と同等の人口や経済規模を有している国々が、アフリカには多く存在しています。しかし、アフリカ諸国の魅力はそれだけではありません。ASEANやEUのような地域経済共同体が、アフリカ大陸内各地に形成され、アフリカ大陸を経済統合するための動きが進んでいます。

アフリカにおける地域経済共同体の概要

現在、アフリカには10以上の地域経済共同体が存在しています。EUをモデルにアフリカ全土の統合を推進するアフリカ連合(African Union, AU)は、うち 8 つ の地域共同体のを正式に認定しています。

出典:経済産業省、平成27年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる 国際経済調査事業 (アフリカ地域共同体経済連携等基礎調査) 最終報告書
IDE JETRO、『アフリカレポート』2017年 No.55
出典:外務省、Diplomatic Bluebook 2015

それぞれの地域経済共同体は、経済統合に向けた独自のロードマップを策定し、自由貿易地域、関税同盟、あるいは共同市場や通貨同盟を推進しています。経済統合の進捗は各共同体で異なり、最も進んでいる東アフリカ共同体(East African Community, EAC)では、関税同盟の結成が完了し、共同市場の創出に向け動き始めています。また、EAC、南部アフリカ経済共同体(Southern African Development Community, SADC )、東・南アフリカ市場共同体(Common Market for Eastern and Southern Africa, COMESA)では、3地域経済共同体による広域自由貿易(TFTA)創設に向けた協定が2015年6月に締結されています。

しかし、そんなに甘くはない。経済共同体が抱える課題

アフリカにおける経済統合は、上述の通り順調に進んでいるように見えます。しかし、1991年に締結したアブジャ条約以降、自由貿易や関税同盟に向けた取組みを進めているものの、その進行は遅く、各国での進捗にばらつきが多く存在しています。

その要因として、各国が自国の裁量で自由化への対応を決定している点が挙げられます。国によっては、自由化を促進したり、また一方で自由化に対し逆行するような政策をとるようなケースも見受けられています。また、域内の自由貿易に関する裁判所が設置されていない、設置されていたとしても機能していないために、域内で発生した問題に対し適切に対処することができていない場合がしばしばあります。さらに、地域経済共同体のメンバーシップが重複していることにより、手続きに関する規定が複雑化し、自由貿易や関税同盟を活用するためにコストや時間がかかるため、十分活用されていない現状もあります。

課題も残るが、これから経済発展への期待が高まるアフリカの地域経済共同体!

アフリカ各地に存在する地域経済共同体は、まだビジネス環境を整備しつつある段階であり、大規模な政治・経済の統合が進むEUはもとより、ASEANと比べても、地域経済共同体の機能として遅れをとってしまっています。

しかし、自由貿易や関税同盟から始まり、ヒト・モノ・カネの共通市場、通貨統合、さらには政治連邦に向けた動きは、アフリカ各地において少なからず起き始めています。アフリカ大陸への進出を目指す世界各国の民間企業の間では、「ケニアで販売できる認証を取得した日本食品を、今度はEAC圏内のエチオピアで展開」、「外資誘致が積極的なルワンダでテストマーケティングを進出した後、他の東アフリカ諸国へ展開」といった、地域経済共同体をうまく活用した事業戦略をとっている企業も多く存在しています。

海外展開の一歩目を考え始めた方、他国展開を検討している方、アフリカを「面」捉え、アフリカ諸国への進出を検討してみるのはいかがでしょうか?

私たちは、日本企業のアフリカ進出をサポートするために、ケニアに現地法人「IC Net Trading Africa Co., Ltd.」を設立し、現地政府や企業との連携、市場調査をサポートしています。アフリカでのビジネスの可能性をさぐってみたい、というみなさまからのお問い合わせをお待ちしています!

海外展開として途上国でのビジネスチャンスに挑戦してみたい、でも、不慣れな途上国でどうやってビジネスの立ち上げをすればいいのか、といった日本企業をサポートしています。調査計画の立案から、現地調査、ビジネスプランの作成、現地での事業開発を含むワンストップサービスを提供しています。

最新情報をチェックしよう!
NO IMAGE

海外ビジネス展開のコンサルティングサービス

海外展開として途上国でのビジネスチャンスに挑戦してみたい、でも、不慣れな途上国でどうやってビジネスの立ち上げをすればいいのか、といった日本企業をサポートしています。調査計画の立案から、現地調査、ビジネスプランの作成、現地での事業開発を含むワンストップサービスを提供しています。

CTR IMG